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あの世の人たち

昨夜は蝉の鳴き声が凄まじかった

何かの異変だろうか?と思うほどの鳴き声だった。

それでも私はさほど気にならないが、家族はうるさいと言う。

蝉のよく鳴くときは、暑さが関係している。暑さというより気温だ。

今日も朝から元気に蝉が鳴いている。夏もそろそろ終わり近くになった。

朝晩は、完全に秋になりつつある

ところで、私は外出するとよく声をかけられる。

見知らぬ他人からだ。全く声をかけられずに帰宅する方が

無いくらいと言ってもいい。街中や駅には、たくさんの人がいるのに

なぜ、いつも私に話しかけるのだろうと不思議だった。

そのうちに、誰に教わったわけでもないが、あの人たちは

この世の人ではないのかも知れないと思うようになった。

以前、横浜駅の近くで、中国人女性と思われる若い人に、

「○○へは、どやって行きますか?」と聞かれた。

パソコンでプリントアウトしたような地図も持っている。

○○は、ドラッグストアだ。雨の日で、仕事帰りの私は急いでいた。

どこかへ行く用事があったのだが、今は思い出せない。

平日でも、横浜駅は人でごった返している。

「ごめんね、分からない」と言うと、女性は悲しい顔になり、

その場を立ち去らない。すると、そばを一人の男性が通りかかった。

「すみません、○○は分かります?」と私が聞く。

男性は、「ごめんね、僕、今日東京から来ているから、

分からないんだ」と言う。三人で苦笑いになった。

「ありがと、他の人に聞きます」と女性は言う。

私も急いでいたので、「ごめんなさいね」と言って

傘を出し、建物の屋根の下から出ようとすると

なんと、50メートルも行かない所に、ドラッグストアがある。

でっかい灯りのついた看板も遠目にも、よく見える。

気付かない私も、何だな~と思いながら、後ろを振り向くと

女性は既にいなかった。彼女は見えなかったのだろうか?

こんなそばにあるのに。しかし、私も先ほどは見えなかった。

というより、気付かなかったのだが、妙な気分になった。

キツネにつままれるとは、こんな感じを言うのだろうか?

こんなそばにあるものが誰も気づかないなんて。

しかも、他にも人はたくさんいる。聞こうと思えば、

いくらでも周りに雑多な人の群れがあるのだ。

こんな事が、日常茶飯事に私には起こる。

彼女は、この世の人ではなかったのかも知れない。

彷徨っているのか、私にちょっかいを出すつもりで

話しかけたのかは、定かではないが。

こんなわけで、私は一人で歩いているときは、

かなり感じが悪いし、人によってはつっけんどんに見えるだろう。

お盆の今、街中や駅にはさらに、いつもよりこの世の人では

ない人が、たくさん出ているだろう。

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